何でも言っていいっていう誤解

直弼くんがいくら、話を聞いてくれるからといって、何でも話せるわけじゃない。あくまで共通するものが多いだけで、話題は選ぶ必要がある。常にある。多いだけに、なんでも大丈夫と錯覚するだけで、なんでもいいわけじゃない。


なんか、あんまり感心されるから、自分をすごいと思わせようとする心が働いている。よくないな。俺はたいしたことない人だ。ただよく動こうとするだけの。捨て身を捨てたその時から、凡夫に成り下がる。何もできなくなる。

自分がウケた話なんか、もう最悪だ。あれは、その場にいたから笑うのであって、あとで誰かに話して面白いっていうものじゃない。

自分と相手はどこまでも別物だ。何かあれば離れて終わる。相手に言うべきこと、自分の中に留めておくべきもの、両方ある。あんまり考えすぎて、喋れなくなるのもよくないが、話題はちょっとは選ぼう。相手の感情を、無視し始めている。自分が話していて、相手の心が盛り上がったときは、そこに注意を払って言葉を選びなおすべきだ。そう思う!!て強く言われたら、そうやろ!!て強く返すのがよかった。うんうん、でな?てのはもったいない。相手の心の起こりが。


君は大丈夫じゃないの?てゆわれたとき、きなくさいものを感じた。あれは掘り下げれば笑えたかもしれないが、かっこうわるくなるのを恐れてやめた。きみは、かっこういいわけじゃないよ。あくまで泥の中を這い回っているべきだ。