アルバイト 全体を見る

アルバイト、引越しなんやけど、今で4回目。一回目ははじめての素人ってことで、懇切丁寧。自分で自動的に動くことは要求されず、あれやってこれやってと指示が細かった。また、素人の犯しがちなミスについても、事前によく注意をしてくれ、この日はミスがほぼなかった。バイトでしかないし、何をどうするかは上司が決めるものだから、自分は言われたことだけやってればいいのか、それがバイトというものなのかもと勘違いさえするくらい、指示が細かく飛ぶ。


2回目。一回目と同様、支持が細かいが、ミスについての指摘がなく、また声出しがなかった。ミスの指摘がなかったので一度荷物を落としてしまい、信頼をやや失くす。大きい仕事は任せられない、素人だからってなった。一度目のときは素人なりに、まだ動ける方らしいっていう評価をもらっていたので、残念だった。一回目もそうだけど、2回目もトンチンカンな指示の解釈ミスが多かった。また、作業中に使うモノの名前もきちんと覚えきれておらず、ちょっと役たたずだった。この時には、バイトといえども作業自体は独立してできる方がいい、ということを母親から聞いている。全体の作業を意識しろ、まずはモノの名前を覚えて欲しいけど、と言われる。が、とても作業の流れなんか抑えられる気がしない。このときの先輩はいい人達で、自分がミスしてしまったとき、俺らじゃなかったら殴られてたよって言ってた。あと、自分が入社したときにはメモをとって必死なったとか、これから働く上での心得とか、自分のためを思っての意見を多く言ってくれた。


3回目。自分の考えで動かなければならないと思い、行動してみたが勝手なことをするな、と胸ぐらを掴まれ凄まれる。指示をとことん勘違いして、暴言を吐かれまくる。殴られる。また、指示自体全然してもらえず、考えたらわかるやろ、一から十までいわなできひんのか、子供とちゃうやろ、ほんま使われへんなと言われる。また、理由も教えられないまま怒られ、原因を教えてこれからうまく作業をするための指導よりも、自分の不満を並べ、相手を非難するためだけの言葉のやり取りを延々とし続ける。
が、バイトとして自分の行動の仕方が悪かった、指示を仰ぐのはこちらの役目、わからないことは聞かなければえらい目にあう、荷物を持ち上げるときは声を出せ、等基本が身に付いた。
この日にはじめてやった作業が多かったが、向こうはそれができるものだとして考えていたみたいで、できないのは僕が無能だからだと思って怒った。
まとまらんな。えー、この日にはじめて、自分も社員として働くことを当たり前のこととして要求されて、はじめてなのでうまく動けなかったが、どのように動かなければならないかはわかったので、不必要にネチネチと責められはしたが、得たものは大きかったと思う。
わからないことは質問しなければならないのは、わからないまま行動すると、間違った作業をすすめることになり、その訂正と正しい作業を進める時間が多くなる。つまりマイナスだから、わからないことはマイナスの行動をするまえに聞いてしまえばいいじゃないか、そんなの当たり前、というわけか。

4回目。前回までで、おおよそ全ての作業に手をつけた。そしておおよそ必要なこと、やらなければならないことはわかったので、指示を取り違えることも少なくなった。また、作業員としての行動の取り方を、3回目のときに教え込まれたので、バイトとしてはよく動く方、という立ち位置も手に入れれたみたい。2回目のときに一緒になった時には、まるで相手にされなかった上司、話しかけても無視された上司だったが、今回はその上司に、わりと使ってもらえた。たぶん、3回目の経験がなければ今回の上司の指示、要求にうまく対応できなかっただろうから、3回目があってよかった。自分から指示を仰ぐ、わからないことは聞く。そのほか荷物の運搬で足元や周りに気をつけることはこれまでで身についてきたし、やることは一通り習ったので、一つ一つの作業を覚えてくると、自ずと流れは意識できるようになるし、すとんと腹に落ちた。
4回目で、上司と一緒に働くなんて理不尽なことばかりで嫌だ!絶対嫌だ!と思ったのが、うまく働けたことでややなくなった。なんだ、俺、結構働けるじゃねーかって思った。流れも意識できたし。流れって、丸丸一度に覚えるのじゃなくて、何度も同じ作業をやってるうちに、いつもやってることになって、やるべきことがわかるって感じか。


あと、3回目のときに、焦りすぎって言われた。焦ってると必死にやってるみたいでいいかなって思ってたんだけど、素人のくせにせかせかしてると危なっかしくてよくないらしい。なので4回目では、落ち着いて作業をすることを意識した。また、早さっていうのは、意識して無理に作り出すものじゃなくて、何度も同じ作業をやってるうちに、自然と早くなるものを言うのだと解釈した。やったこともないくせに早いと、無理してるからミスが出てくる。そんなものは要求されていない。

あと、これまでは自分が優れていることを示さねばって必死になってたけど、だって自分は仕事ができるのかどうか不安だったし、が、仕事ができるってのはどうやらそういうものでもないらしい。特に、作業を覚える段階ってのは、何度もやってりゃ自ずと上達するのかな。一度教えてもらったことは、完璧にできないとダメなのは当たり前だけど。

あと、声は出さなきゃダメらしい。お願いします、わかりました○○ですね?、すみませんもう一度お願いします、持ち上げます、おろします。

あとはなんだろう。自分が荷物を持ってて、相手が自分に荷物を渡す場合、自分が持ってる荷物を手放して相手の荷物を受け取る。ぼーっとする、ぼさっとする、何もしていない時間を極力潰す。自分で出来る作業を見つける、もしくは指示を仰ぐ。こういう、働く上で普通やるべきことっていうのを、おおよそ教わったので、まあ怒られることはなくなったな。

教訓としては、習うより慣れろなんだな。あと、慣れる前に慣れてるふうな作業をしても迷惑らしい。だってミスが出る。落ち着いて作業しなければならない。頭を使うのは、ここじゃあない。まだ先か、頭を使うのは。まずは基礎として、作業に精通する。ここで使う頭は記憶力。思考力じゃあない。思考しようにも、判断基準がないしな。自分でしなければならない行動もあるが、それも記憶させられた行動のみに限られる。勝手なことすると怒られる。自分で動く場合でも、規範にあるのは上司の指示だ。
で、そういう基礎的なとこが身に付いたら、現場監督とかになったら、自分で作業を作っていく段になってはじめて、自分の頭、自分の采配で考える。ま、バイトちゃんがそうすることはほぼないだろうね。

バイトちゃんが行うのは、自分で考えるっていうよりは、これまで教わったことを効果的に使うことだ。先輩がこういう作業してるときに、よく言われるのはあれを持ってこいってこと。作業をはじめるときに最初にすることはあれだから、あれをやるんだろうなと思いつつ。けど、自分で作業をはじめることってないな。責任をもてる立場じゃないしな。あくまで指示があってからか。自分が動けるのは。あと動けない時には指示をもらう。


えーと。全体は、ここの作業に精通すれば勝手に意識できる。そもそも引越しなんて簡単なんだ。積み込んで吐き出すだけだ。細々と、積み込み方とか運び方とか、そういうのがついてくるが。