遊園地

普通に素直に、感情に沿って会話ができた。楽しかった。よかった。

遊園地へ行くことになっているが、面倒なのでサボろうとした。しかし、キャンセル料がかかるというので、行くことにした。
行ったところで、自分はほかの人と仲良くないので、仲のいいグループだけが盛り上がり、自分はどこか他人のままで、盛り上がりきれないのだろうと思ったので行きたくないと思った。が、今日は罪さんが来る。できれば話しかけたいが、彼女はちょっと話しかけにくいところがある。
案の定、やや人付き合いが下手な男と席を一緒にされてしまう。特に面白い話もできないまま、自分が嫌になりつつ、バスをやり過ごす。

ジェットコースターに乗る。自分はジェットコースターに乗ったことがない。一番最初に見たとてつもなくでかいジェットコースターは、今日はやってないということで安心した。あれを見たあとだったので、どのジェットコースターもしょぼいと思った。
最初に乗ったジェットコースターで、とても怖くなる。が、今日はジェットコースターを乗ると決めていたし、ジェットコースターに乗らないと何もないとこだったので、乗る。
ジェットコースターの恐怖、乗りこなした高揚でタガが外れる。口数が増える。積極的に人と話してみようと思う。

最初は、アトラクターの感想を人と言い合うところから入る。怖かっただの、よかっただの。次に、今度はなに乗るのとか話しかけてみる。男女問わずである。これは怖いね、そうでもないよだの、がんばれ!だの。
女の子とだけで、観覧車に乗る。そのあと、女の子と二人車に乗り、アヒルを漕ぎ、罪さんと買い物をした。夜にご飯を見ていると、罪さんはこちらに来て話しかけてくれた。

観覧車がよかったかな。まったりと、風景についてとか感想を言い合った。あれのおかげでなんというか、女の子と会話を交わす関係ができた。牛乳ちゃんとよく喋った。おかげでそのあとの夕食のときも、積極的に話しかけてくれた。

観覧車をしたので、ジェットコースターに疲れた組として、女の子ばかりの中自分が入ることになったときにも、普通に話が出来た。牛乳ちゃんさまさまである。
ガールズトークの中で、罪さん、一人笑わない、いつも真顔って言われる。彼女はそういうところがある。そうか、そういうふうに捉えられてるのかーと思う。

心配してるんだっていう、自分への言い訳を手に入れたので、ちょっとづつ罪さんに話しかける。楽しい?とか、絶局系得意なの?とか。うん、とか得意っていうか乗るの楽しい、とか言ってた。
こういう細かい会話のおかげだろうか、彼女が一人で土産モノを買うってなったとき、一人じゃかわいそうだし、かわいいし、せっかくなので一緒に買い物に行った。二人きりである。

面白いモノを見つけたので、すいっとそちらに行くと罪さんもついてきた。好きなとこ見て回っていいよ!て言って、あーせっかくの二人きりのチャンスを!て後悔した。見物してるふりして罪さんを探す。苗字くーん、て罪さんの方から声をかけてくれた。これ可愛くない?てマグカップをさしていう。よくわからなかったので、はぐらかすと、可愛くない?可愛くない?可愛くないか・・・て変化して面白かった。彼女は押しが強いようだ。

それを見たあとは、一緒に土産物を茶化しながら見て回る。かわいかったー。罪さん。外に置いてあったガチャガチャに興味を示す。なんと図鑑系のガチャガチャに興味を示した!俺もそれが一番面白いと思ったんだ!

それぞれ1回ずつ回したものの、どちらも欲しいものが手に入らず。もう一回回したいが、自分が欲しいものは手に入らないよなーと罪さんがいうので、じゃあ自分もやるから2回回そう、て言ってガチャガチャした。罪さんはシークレットをあてたが、つまらないシークレットだった。自分は欲しいものを当てたが、実は罪さん、一回目でそれ当ててた。なんだよーと思ったが、考えてみると、罪さんとおそろいじゃないか。お揃いのガチャガチャ。

罪さんは土産物屋で、弟の土産を買いたいと言ってた。弟に土産物かー、うんうん素敵って思う。なので、自分も兄弟に土産物を買うことにした。罪さんが手にとってた、プリントケースを妹に。罪さん、これ買ってって言ってた。誰に?ていうと私に。って言ってた。俺が君に?と確認したと同時に、かわいーと思ったが、うんじゃあ買うよ妹に。て言ったら、妹か、て言ってた。そこでモノを買うのは、何か違う。デレデレじゃないか、そんなことしちゃあ。脈アリかどうか、探ってたのか?

そこから帰る。駅で夕食を食べることになったのだが、何を食べるかメニューを見て回っていたとき、罪さんが自分のとこへ来てくれた。パスタ食べたい?て聞いてきたので、トマトとチーズが食べたいというと、がっつり食べたいよね、お腹すいたって言った。かわいー。ずいぶんと、近くなったもんだよ関係。ここのパスタ美味しいよと言ったので、よく来るの?と聞いたら、暇やからよく来るって言ってた。その暇な時間、ちょっとでいいから俺によこせ。俺も最近、人と一緒にいる時間を生活サイクルの中に組み込みたいと思ってたんだ。


さて、個人的に罪さんを何かに誘うかどうか。今日、みんなでいった遊園地と時間の過ごし方は確実に豊かなものだった。名残惜しい。切ない時間だった。こんな時間がたくさん持てればいいと思うし、こういう時間は自分でつくるもので、そしていくらでも作れるものだということも知っている。誘えばいいと思う。

性格はキツいところがある。かわいいのは確かなので、友達として一緒にどこかへ行く関係で十分だし満足。友達として、仲良くしたい。
暇って言ってたやんかー。どっか行く時誘っとくれよー。外いく習慣がないから、誘ってくれるとありがたいんだって言って、誘えばいいともう。


牛乳ちゃんとはよく話をした。サークルの参加費が高い。普段何してる。この休み何してる。就職の話。人の恋愛、人の付き合い方の話。男と女がかかわるサークルに入れば、付き合うってのは生まれるんだなって思ったらしい。景色について。気温について。気分について、アトラクターの怖さ、感想について。
女の子とこれだけ話せたのを踏み台に、罪さんに話しかけられた。牛乳ちゃんと話ができたのは、ジェットコースターでタガが外れたのもあるし、これまで積極的にクラス発表をしてきたこともある。友人関係が必要不可欠という認識、また現状が苦しいことも手伝ったし、サークルに入ってそれなりに先輩、女の先輩と話をし、また同期の女の子とも会った時には普通にどうもどうもと会話をした。また、地元の友達が彼女どころか子供までいたりして、さらに店員さんを口説いた、その距離の近さを知ったことも大きい。男と女の距離は、とても近い。付き合うなんて当たり前。自分は、全然彼女がいてもいい、そういうキャラクターだっていう直弼くんの太鼓判もある。