初キスの思い出、たつきさんの視点から

それまではドンデさん恋愛について、浮気はありだとか、プラトニックにとか言ってたから、無理してるのかな、好きでないなら断ってよかったのにと思ってた。
触れられないと思ってたからキスは嬉しかった。
そういうのを思い出す。


こんなメールをもらった。日記をつけてて、初キスした日を覚えてるよと。夏休みから遊び始めた。付き合いはじめて、テストも終わってたから。


距離感を測ってたころじゃないか。抱きしめたりはしたけど、キスしようなんか言い出せないって思って。

あとは、お互いの考え方を知りたいと思って、いろいろ話をした。プラトニックがいいってのは、シーラだし、やったことなくて怖いし、セックスばっかり求めるのも味気ないと思うから。精神的に満たされることを第一に考えたいと、相手に言っておこうという意図だった。

触れられないっていうけど、電車で寄り添ったし、抱きしめたのもたつきさんから手を広げて来たんじゃん。
キスしたいけど、あんま言い出せないから、どういう流れか忘れたけど、何かしたいことないか?て聞いて、でもあなた困ると思うからって言ってくれなかった。その日、学校の机で一緒に座ってて、抱きしめたりしてたときに、キスしていい?て聞いたら、うん、て言ってキスした。横顔がセクシーに見えた。うつむいた、涼しい顔。むにゅってなって、こんなもんかな?て思ってぎゅーって口進めて、あ、行き過ぎたって思った。めり込んだ。向こうからしてきたキスは、湿っぽさが残って何だかとてもキスっぽいものだった。上手になんでもこなしやがって〜と嫉妬した。こっちから見るとしょうもないキスだったが、たつきさんはそんなふうに捉えていたか。